日本で古くから親しまれている瓦屋根。
耐久力が高く、長ければ100年以上使い続けることができるといいます。
しかしながら、環境や外的要因で劣化してしまうことは少なくありません。
具体的な原因と、その対処法を知って、いざ起こった時に正しく対処できるようにしておきましょう!
瓦の種類
瓦と一口に言っても、種類があります。
自分の家の瓦が何瓦なのか、しっかり見極めていきましょう。
●和瓦(日本瓦)
古くから日本で使われている瓦です。
粘土を焼き上げて作っており、釉薬を塗ったものと素焼きの2つがあります。
耐久性はかなり長く、手間のかかるメンテナンスもこれと言って必要ありません。
基本的にどこの和瓦も形やサイズなどが同じであるため、
他のメーカーであっても差し替えなどに使えるケースが多いのがメリットです。
しかし、重量が重いため、地震などによる瓦の落下や、割れやすいこと、
また建物の倒壊のリスクが高まってしまうといったデメリットがあります。
●洋瓦
主に海外の住宅で使用されていた瓦です。
洋瓦は日本瓦と同じような粘土が材料のものと、セメントで作られた瓦の2種類があります。
洋瓦はカラーバリエーションに優れ、家をコーディネートしたい方などにオススメです。
しかし、セメント瓦の方は他の屋根材と比べ衝撃に弱く、割れやすい危険性があります。
また、塗装などのメンテナンスが定期的に必要になってくるので、手間と費用がかかってしまいます。
劣化の原因
1 , 落下物や飛来物がぶつかった
一番多く聞かれる原因が、落下物や飛来物によるものではないでしょうか。
室外機などが屋根に落下し強くぶつかったり、台風などで飛んできたものが激突してしまうと、
いくら耐久度の高い瓦屋根でも、割れや剥がれが生じてしまいます。
2 , 人の手によるもの
アンテナの設置や補修などで人が屋根に上って作業する際に、
あまり屋根に知識のない方が瓦屋根に負荷をかける箇所に乗ってしまい割ってしまうこともあります。
また、ソーラーパネルなどの設備を設置したことによって割れるケースもあります。
3 , 釘の劣化
古い家屋の場合、鉄製の釘で瓦を止めていることが多いのですが、
その場合経年劣化によって錆つき膨らんでしまいます。
これにより、瓦に不規則な負担がかかり割れたり、浮いて剥がれたりしてしまいます。
4 , 凍害、塩害によるもの
標高の高い地域や、気温が急激に下がる地域では凍害、
沿岸部などでは塩害が原因になる場合もあります。
凍害は、瓦内部の水分が凍ったり溶けたりを繰り返し、割れや剥がれが起きます。
塩害はその名の通り海水の塩分によって劣化しボロボロになってしまいます。
瓦の割れや剥がれのほとんどは、1、2枚割れている程度に止まります。
そのため、「このくらいなら大丈夫かな」と思ってしまい放置してしまう方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、1枚割れているだけで十分雨漏りなどを引き起こしてしまいます。
それだけでなく、瓦の割れ目から防水シートへ日差しが入ることで劣化・破損が進んでしまい、
屋根葺き替えや葺き直しなどの大規模工事が必要な状態になってしまいます。
少しでも割れや剥がれが確認できたら、すぐに業者さんへ連絡しましょう。
補修方法
主な補修方法は、
割れてしまった瓦を新しいものに差し替えるか、コーキングで固めるかの2択です。
しかしながらコーキングは、どちらかというと一時的な処置となるので、
最終的には新しい瓦に差し替えた方が良いでしょう。
ただし、瓦を差し替える場合、今使っているものが無いと施工できなくなってしまうため、
メーカーの在庫の有無は、お問い合わせください。
また、最近では、DIYなどで自分で修理する方が増えており、簡単に補修できる方法などが
動画や記事などで紹介されていますが、瓦の種類によって適切な手法や材料を使用しないと、
他の瓦と合わずに隙間があいたり余計に瓦が割れたりしてしまいさらに被害が悪化してしまいます。
そうならないためにも、できるだけプロに任せて確実に直していきましょう。